毎年恒例の
キーワードは「衰退・閉塞・終末」か「勘違い」か…?
●鑑賞映画ベスト10
1・ダンケルク
2・ARRIVAL(メッセージ)
3・ブレードランナー2049
4・Hidden Figures(ドリーム)
5・LOGAN
6・キングコング髑髏島の巨神
7・BLAME!
8・Hardcore Henry(ハードコア)
9・SWEP8 最後のジェダイ
10・グレートウォール
今年は去年と打って変わって評価が割れる大作が多く映画談義が昨年以上に加熱した印象。
1・ダンケルク
戦争映画らしからぬビジュアルは映像の鬼の系譜 ただしそれゆえに初見やまっとうな戦争映画を望んでみると厳しいかも。こんなもの撮っちゃって次何やるんだろう 小津映画リスペクト?
あと、Twitterでは「幸せなダンケルク」というタグで二次創作を見かけたりした。昨年の「平穏なシンゴジラ」みたいなものだが まあ 妄想は自由だ。(ラストで生き残ったトミー達にも「次」があることが予想されるだけに)
2・ARRIVAL(メッセージ)
ほぼ文句ない映像化。問題は売り方か。「ばかうけ」はしなかったね…
あと、観測範囲では「フックになる映像が無い!未知との遭遇とかインターステラー見習え!」みたいな意見も見かけたが、あのルッキンググラスと劇場の類似性に自分は感動を覚えたクチなのでビジュアル不在とは思わない。個人的に。
3・ブレードランナー2049
映像の鬼その2。その引き込まれる(前作と全く異なる!)衰退!閉塞!そして終末!というビジュアルで長さは気にならなかったほうだが「それやってほしかった」と「それやってほしくなかった」(例:herで未遂に終わった電脳前後 コピー怪人登場)が交互に来る。SWEP8も同じ印象。
あと、監督は結局劇場公開版が好きなんだね。そのへんを繋げた話にしても良かったような。
4・Hidden Figures(ドリーム)
差別の生む無意識と非効率さをポップに描き出すことに成功した改作。今年の閉塞感に穴を穿つ意味でも。
比較のためにライトスタッフを見たが、(あっちもあっちでコメディ調だけど)向こうの有色人種の扱いが「TVコメディショーの偏見ネタ扱い」(※シェパードの持ちネタだったがのちに逆襲される)と「肉切り分ける係」だったので この映画の価値が向こうで評価される意味もなんとなく理解できる。
5・LOGAN
「終末ビジュアルのもと描かれる近未来アメリカの末路」としての力が強く。これまでのシリーズでのウルヴァリンの毎度の(酷い)扱いとか性懲りも無くミュータント軍事利用かよみたいなところはあるにしても。
6・キングコング髑髏島の巨神
シン・ゴジラに足りない文明批判もバカな軍人も容赦ない直接的死も全部兼ね備えてやって来た怪獣特盛り!おかげと言っては何だが地獄の黙示録に寄せる必要はあったかね?
モンスターバースは親会社(中国資本)が雲行き怪しいと聞くがなんとか対決まで持っていってほしい一方、これだけだと勝てるかね…?あと両方ヒーロー属性あるし。宇宙怪獣相手にタッグかな。
7・BLAME!
幾度の企画消滅を経て シドニアの成功を踏まえての満を喫してのアニメ化は西部劇スタイル。村人の遺体から記憶吸い出しとか無いのは独立作ゆえか。シボ主任の非人間感が凄い一方、あれで人間だと主張されてもイマイチ納得しづらさもある我らが主人公。この人気でドモ・イココンビまでぜひ。
8・グレートウォール
命が安いにもほどがある!スチームもとい火薬パンク怪獣アクション。今後大事になりそうな「中国受けするもの」を考える上でも良いヒントかと。
9・ハードコア
怪人シャールト・コプリー大集合(プライス大尉コスも2種類)で大爆笑。FPSムービーでFPSお約束展開をやる構造も好きだが、ゆえに埋め込まれた愛情より今作った友情!となるのは示唆的か。割り切ってノーカットにはしてないので、酔い注意。
10・SWEP8 最後のジェダイ
ルーク「物事はお前が思っている通りになるものでは無いのだ」
まあ、我々ずっと成功体験ばかり見せられてましたよね… という振り返りの巻。レイ・レン・ルーク絡みはそんなものだと思う一方、叩かれる元となってるフィンポー新キャラ周りは帝国の逆襲フォロワー(絡みない上に無駄足)ではあるものの、戦争経済ネタならフィンの過去話なんかにも絡められたりしないかねなどとも。ここまでやった以上、EP9は3,6と共通性が無さそう。さて。
ランク外映画から
・バーニングオーシャン 労災インシデント→パニックアクション 会社の教育にどうぞ
・ゴーストインザシェル ファンムービー2.0。ただ今の時代ネットは広大ではないのも確かか
・ワンダーウーマン テンプレヒーロー誕生譚と見せかけて爆誕するなかなか手強い「やはり人類は愚かなので」系悪役 その中でも希望を与えるのって展開もこういう流れだとスッと入ってきますね。
・LIFE エイリアン代替作品として皆の希望が最悪の形で裏切られるホラー映画、としては好き。謎ISSはほんと謎。あの検疫プランにサインした委員会の面々はカプセルに入れて外宇宙に射出する。
・ドクターストレンジ ヒーローオリジンとしては並み、エッシャー4Dは圧巻 そしてあれだと無敵すぎませんか
・ヤマッテ純愛 悪い意味で原点回帰と来た印象だが次の戦闘章での盛り返しに
・怪獣惑星 二万年後の地球が舞台のSF冒険譚は次章 怪獣黙示録を「おまけが本編」とはせんでくれ
●基底現実事象・その他メディア
・閉塞・衰退・終末がひそかにブーム(がんこちゃんエピソードゼロ 少女終末旅行等)
・けものフレンズ 周り
・ニール・ブロムカンプ独立スタジオ OATS STUDIOの実験作Web公開
「続きは課金次第!」はいいとして、極短編はオチがなさすぎではとも。
・Switch旋風とそれを引っ張る(そしてハードルを上げる)任天堂ゲーム
メトロイドが恐ろ楽しみです
・今更ながらのヴァーチャルリアリティ旋風、VR施設流行
VR新宿、ボトムズバトリング野郎が閑古鳥で涙。最低野郎は行ってこい!!(ただ、首移動即上半身可動は再現に意見が別れるところかも)
・サイバーパンクヴィジュアル再考(VA-11 Hall-A、RUINER等)
この流れでDeusExとACの新作を…
・AlphaGo筆頭のAI躍進と過度期待
ZEROがどこまで応用されるか
・北の某国と太陽フレアで高まる電磁パルス被害への懸念
LongDarkして備えなきゃ
・カッシーニグランドフィナーレ&ジュノーの木星クローズアップ。これは真空でもレゲティ流れる
・オウムアムア太陽系通過。さすがにあれだけではしゃぎすぎてもしょうがない。というかみんな「宇宙のランデヴー」読もう。
●メカ十選
・ルッキンググラス(ARRIVAL)
・Kスピナー(2049)
・デッカードブラスター(2049)
みずでっぽう欲しかったよぉ…
・謎スーツ(OATS STUDIO ”FIREBASE”)
・多脚電磁加速砲G-HED(GODZILLA怪獣黙示録)
・電動卓上計算機(HiddenFigures)
・GPD-WIN(買いました)(コラ)(Pocket待つべきだったかな)ターミネーター2のATMハック見たら欲しくなるでしょクラムシェルQWERTY端末 これは真理
●毎年恒例にしたくないお騒がせ界隈論争
・続編大作映画が賛否両論割れる
・忘れ去られたポスト・プロジェクト
なお今年は現実事象のせいか小松先生『アメリカの壁』がリバイバルヒット(?)
・日本語タイトル芸(私たちのアポロ計画) 日本の映画の売り方全般にも(ばかうけとか)
・筒井先生のいつものご乱心
ただ、ああいう発言を「いつものことですから」で終わらせるんじゃなくて「すんませんすぐ片づけます」とすることも必要なんでねえの対外的にとは。
・星雲賞以来続くセンシャ=フィクション論争。
「誰も!SFとして見ていないのである!」
・異世界シャワー/オークオペラ
無駄に戦線を拡大してませんかね…
来年は希望に繋がる展開を期待したいところで…